3.20.2011

好きな男を爆発させる方法

鈴木春信 「雪中相合傘」


あくまでこれは自爆という意味での爆発です。
ですから、爆発させてしまった美しいあなたに罪はありません。爆発と聞いて思い当たる節があるあなたは相当の上級者です。何かアドバイスがあればよろしくお願い致します。

西洋の女性たちはコルセットでくびれを強調、胸元が大きく開いた服で男性の視線を集めてきました。一方日本の女性はどうでしょうか。重なった首元に、少し開いたうなじ、歩くと動く着物の裾。隠すことが美徳とされてきた日本の文化では、感情表現も色の香りも控えめが基本なのです。オタクの世界では「絶対領域」という、ミニスカートとニーハイソックスの間の生足のことをさす言葉がありますが、あれも非常に日本的であると思います。全部生足ではだめなのですね。少しだけ見えるというところがたまらない、という訳です。

つつましやかな日本の女性ですが、下心を隠して意中の男性を爆発させることも可能です。お互いを意識した状態であればこの方法で確実に実を結ぶでしょう。あの人に飛びつきたい、その感情は一旦押し殺してください。やっぱり会いたい、ケータイの電源を切ってください。準備は整いました。あなたと彼の接点はどこでしょうか。仕事場ですか、習い事ですか、ご近所ですか。数少ない接点が最大のチャンスです。ただただ普通に振る舞いましょう。そして絶対領域です。ではなくて、さりげない色気です。肝心の色の香りの出し方については私ははっきり言ってわかりません。ですが、これを読んでいるあなたなら知っているはずです。そして私に教えてください。

色気を出しつつも、あなたに触れさせてはいけません。おあずけです。
結局のところ、意中の男性に我慢をさせるということです。我慢をすると脳内はセロトニンという物質が活発に放出されるようになります。セロトニンは精神を安定させる物質で、不足すると鬱病などの原因になってしまいます。相手の男性の精神的安定のことまで考えて、我慢を強いるあなたは本当に心優しい女性です。この段階で彼は確実に爆発するでしょう。それでいいのです。

我慢をさせ続けると男性は興味を失って次の女性に目移りをします。ここのさじ加減が難しいので、慎重に振る舞ってください。
セロトニンを分泌させた後は、ドーパミンも分泌させてあげましょう。我慢の後に快楽系神経を興奮させると、もう彼はあなたの虜です。

さりげない、つつましやかな色の香りというのが最大のポイントです。
最後に平安時代の歌をあなたに送ります。

逢ふことは くもゐはるかに なる神の おとにききつつ こひ渡るかな

わたしが君に逢うのは
空の雲が遠くはなれているように
遠くはるか先になるけど
君のうわさを耳にしながら
君に逢える日まで
ずっと恋い慕いつづけるよ
 

健闘を祈ります。



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