10.12.2011

運命の赤い縄

『もう何も尋ねないで』ローレンス・アルマ=タデマ
Sir Lawrence Alma-Tadema Ask me no more 1906

それは腐れ縁ではなくて、運命の赤い糸かもしれません。バカと天才は紙一重といいますが、腐れ縁と運命の赤い糸とも紙一重であるかもしれないのです。

運命の赤い糸の伝承は中国の宋の時代にまで遡ります。
ある男が、運命の男女の足首に赤い縄を結ぶという不思議な老人に会います。赤い縄で結ばれた二人は距離や身分に関わらず、必ず結ばれるというのです。すぐにでも結婚をしたかった男は老人に運命の女性を教えるよう頼みます。老人は市場に男を案内し、運命の女性に会わせました。男は理想からかけ離れた女性を見て激怒し、その女性と結ばれることがないように、女性に刃物を振りかざしたのでした。

女性は醜い幼児だったのです。
それから長い間、男は縁談で失敗します。そのまま十数年が経ち、ついに美しくて若い女性との結婚が決まりました。その美しい女性の額には、古い傷があったのでした。

私はこの話、そんなに好きではありません。酷い話です。男は幼い女の子に刃物を振りかざしたにも関わらず、十数年後、その女性が美しく成長したら自分のものにしたわけです。恐ろしい話ではありませんか。

赤い糸でも赤い縄でも見えればいいのに、と思いませんか。小さいおっさんの妖精を見たことがあるという報告はよく聞きますが、人の足に赤い縄を結ぶという怪しい老人を見たという報告は今のところ聞いたことがありません。

『俺の理想とは違うし、今までああいうタイプとは付き合ったことないな。』とか『彼は条件をクリアしてないわ。もうちょっと....。』『今の彼とは長いけど、物足りないわ。』とか引っかかるわりに、何をしててもあの人の顔が思い浮かんでしまうあなたは、今までに目を凝らして足首を見たことがありますか。条件ばかりにとらわれず、勇気を出して綺麗な心で、足首を見てみることをオススメします。もし今後、怪しい老人を見ることがあれば、この場を通して報告をお願いします。

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